2013年5月30日木曜日

クラサバ系40代エンジニアに告げる

クライアントサーバー系の40代エンジニアの皆様、
これから、死の宣告厳しい事をここで伝えます。見たくない人はこの冒頭で閲覧を止めておくのも良いでしょう。
しかし今後のためにも、是非知っておいて欲しい事です。

JavaやC♯でクライアントサーバーの開発を携わってきた40代のエンジニアはそこそこいると思います。しかし、

「あえて言おう、あなたたちがWeb系に行ける可能性はないと」






クラサバ系からWeb系にスキルチェンジしたがるエンジニアが増えている

最近、多いです。理由は単純明快です。

①金額がWeb系開発案件の方が高い(正確には高く見えている)
②Web系開発案件の方が案件数が多い

①の金額については個人的にはWeb系でもクラサバ系でも一朝一夕だと思います。
ただ、クラサバ系やWeb系問わずJavaやC♯の案件の金額感という意味では、確かにWeb系開発案件の方が、高いかもしれません。
②案件数についてはこちらは間違いないかと思います。Web開発の方が効率的なので、セキュリティの確保等は当然ありますが、環境も整っているWeb開発の方が今後も案件は増えて行くと思います。

何故行ける可能性が無いのか?

理由を言います。

そもそも経験がないからというのが大前提ですが

①現場リーダーやマネージャー含め年齢層が若く雰囲気に合わない
②単価が見合わない
③他に良い候補者がいる
④JavaやC♯で開発出来ない
⑤アジャイルがムリ

という5点からです。

①はNGになる要素としては大きいです。
現場リーダー、マネージャーが20代の人でその下につく訳ですから、リーダーやマネージャーも気を使います。エンジニア自体もそういった若い人から管理され指示されるので、経験がものを言う40代に入っているエンジニアからすると、気に食わないこともあるでしょう。そういうギクシャクするのがわかっているので、基本的には年齢制限や雰囲気を見られます。

②の単価が見合わないは、結構面白いです。
JavaやC♯での開発経験はあるから、金額だけに釣られてWeb系の案件を希望するエンジニアは必ずいます。私の周りでも2名はいました。
そういった人たちは必ずといって
「Web系経験無いけど単価下げればなんとかなるんじゃないかなー」
と言います。 はっきり言います。ムリです。
そもそもクラサバ系のエンジニアでstrutsやDI、MySQLのパフォーマンスチューニングまできちんとしている理解し開発出来るエンジニアはいますか?いません。
また、40代でそういったのが出来る人は既に時代の流れを感じ取ってクラサバ系からWeb系に移行可能期に移ってしまっています。若い世代でWeb系開発エンジニアもどんどん出てきています。
さらに、そういった若い世代が多い現場は基本的に若手を取りたがるので、

経験・スキルはまだ浅いが若手 〉 Java、C♯の開発経験はあるが業界経験のない年配

という構図になります。
私でもそうします。40代のクラサバ系エンジニアでしっかりとJavaの技術がある人は正直なところ、あまり見た事がありません。スキルシートにはJavaと書いてありますが、認識としては本当に書いてあるだけで開発はあまり期待出来ないのが多いです。
ということは、5万円10万円金額が下がったとしても、それでしたら2年目、3年目くらいでも良いので若いエンジニアを採用した方が、成長が期待出来るので若手を採用します。
というわけで金額で調整しようと試みても、代替要員として若手のエンジニアがいますので、需要がなくなります。

③は②で書いたとおりで代替要員として若手エンジニアがいますので、そちらを優先させます。どうしても人がいない、という場合だと少し事情は変わってくるかと思いますが、そもそもWeb開発が始まってもう結構な年月が経つので、外国籍なり、募集単金を上げるなり、何かしら条件を調整したら全く応募がないということはありません。金額も普通で、逆に扱いに困る業界未経験のクラサバ系エンジニアを採用する必要はなくなります。

④これも②で書きましたが、Web開発でJavaやC♯の言語だけが出来てもそもそもお話しになりません。ほとんどの場合、仕様書がなくソースコードから追いかけて行って仕様を理解する現場で、開発もアジャイルが多いので今まで仕様書を読んでその通りに開発を進めていたエンジニアが、突然口答で指示を出されてソースコードから内容を読み取って進めて行くような環境に適応出来る可能性が低いです。そんな全く違う環境下でさらにフレームワークが使ってあるようなものをうまく把握して進めて行けるでしょうか。
更にはSESでは40代ともなると即戦力として期待されていますので、かなり厳しいでしょう。

⑤のアジャイルは④の通りで、適応が大変です。20代でウォーターフォールにそこまでどっぷり浸かっているわけではない若手ならば適応も早いでしょうが、40代の仕様書万歳!といった感じの人たちが経験を捨てて馴染めるかというと難しいでしょう。

スキルチェンジは無理なのか?

99%無理でしょう。
理由は上記からです。ただ、1%だけ可能性はあります。

①独学で即戦力級の知識・技術を身につける
②募集の緩いWeb系案件をひたすら受けまくる

この2点です。

①が一番、理想でしょう。可能性も高まります。
よく「iPhoneアプリを趣味程度で作っているので、案件があればやってみたい」というエンジニアがいます。
はっきり言いますと、趣味程度で作っているスマホアプリなど所詮趣味の範囲で、仕事にはつけません。そんなものは、チラシの裏にでも書いておいて下さい。
ただ、趣味の延長線上で実際にapp store、Google Play storeにリリースをした、更には何万ダウンロードされている、となると話は別です。そういった結果、実績もあり、商業的にも魅力がある技術レベルにまで高めて行けるのであれば、全然可能性はあります。

同じくソーシャルゲームの開発案件でも似たような事を言うエンジニアは多いです。アピールポイントがないのか、自宅でLamp環境を構築して勉強しております!といったコメントが書いてあったり、面談時にPRするエンジニアがいます。こちらも正直チラシの裏レベルです。Macがあれば、Lamp環境などサク◯さんででもレンタルサーバーを借りてきたらあっという間に整えられます。大切なのはどの程度にまでやり込んでいるかです。
趣味でサイト開発をおこなってDAU10000人です、とかでしたら凄いですね!〜となりますが、そんなところまで話したエンジニアはこれまで一人も見た事がありません。
大抵、「自宅Lamp環境を構築して勉強しております!」で終わりです。聞き飽きました。

②はあまりおススメしません。しかし、これも戦略的に行えば一つの手だとは思います。
いきなり、クラサバ系⇒Web系(BtoCサービス開発案件)というのは難しいです。しかし、某汐留の通信事業者や田町のSIerのような、そこたらじゅうでJavaエンジニアを集めているような会社さんでしたら、Web開発でもややBtoBでふるい感じの案件が存在しています。そういった案件に入りつつ、少しずつステップアップしてWeb開発案件に進めて行くのもありかとは思います。


結局何が言いたいのか

40代というのはエンジニアにとって難しい年齢だと思います。
きちんとしたキャリア像を持っているもっていないに関わらず、年齢制限という壁が登場し、クライアントの見る目も突然「あ、40代か・・・」という風になります。
そんな環境下で、付け焼き刃のように仕事に就くためにクラサバ系からWeb系にスキルチェンジをしようとして欲しくないのです。

本当に言いたかった事は2つです。

一つは、40歳に入るまでにエンジニアという仕事上で何のジャンルでも構わないので、確固とした地位を確立して欲しい事です。
それがどんなものでも構いません、知識でも、技術でも。しかし、これは自信がある、これならば任せてくれ、というものを確立して欲しいのです。40代のクラサバ系エンジニアでも良いではありませんか。この世からクライアントサーバーが無くなった訳ではありません。クラサバ系の開発を極めればきっとWeb系の開発と同等もしかしたらもっと良い金額をもらえるかもしれません。

もう一つは、自己研鑽を怠らないようにして欲しいです。
40代になってくると家庭がある人もいるでしょうし、空いている時間を勉強に回す余裕もなくなるかもしれません。しかし、ITエンジニアが最新技術の勉強を止めてしまっては終わりです。そもそもが新しい分野なのですから次から次へと出てきます。新人のころにアセンブラやコボルを触っていた人も今では主流はオブジェクティブ思考言語です。Javaだっていつまで続くかなど誰もわかりません。そうなると、技術への探求を続けて欲しいです。


というわけで「クラサバ系40代エンジニアに告げる」でした。
それは確かに

案件:ソーシャルゲーム開発
場所:溜池山王
金額:スキル見合い〜MAX70万円
スキル:C♯を用いた開発経験

という案件を見たらアホなエンジニアは
「お!、70万円ももらえるなら行きたい」と思うでしょう。MAX70万円というのはあくまでMAXです。全ての希望条件を満たしていて、是非来て欲しいレベルです。これを理解せず、ただ希望金額で70万円とお願いしても未経験のクラサバ系エンジニアは受かりません。さすがに良い年なのでそれくらい理解して欲しいです。
フリーランスのリアルな収入の話をしようでも触れましたが、「エンジニア30代収入ピーク説」から抗おうとするのも良いですが、まずは自ら自己研鑽を努めて努力して抗いたいものです。フリーランスならば尚更です。誰のせいにも出来ません。全て自己責任なのですから。私もそうならないように頑張ります。