2013年6月17日月曜日

正社員(プロパー)のエンジニアの愚痴が大体同じな件

プロパーもフリーランスも経験している私としては、よくプロパーのエンジニアの人の悩みを聞く機会があります。
(注:SIerとかのエンジニアではなく、ソフトハウスとか受託開発会社のエンジニアです。 )

プロパーの人の悩みはまあブッちゃけると、ほぼ会社の愚痴です。


大体が

 「社長の経営方針について行けない・・・」
 「人がどんどん辞めていっていて、会社の将来が不安・・・」
 「給料が安い・・・」

といったものです。
こんな話を頻繁に聞くので、今回は正社員(プロパー)のエンジニアの不満についてフォーカスしてみたいと思います。



「給料が安い」という悩み

これは、多いです。まあSES会社であれ、受託開発会社であれ、これはどこでも当たり前だと思います。
ただ、この悩みについては、私は全然良いと思います。つまりこの悩みを持っているエンジニアは、自分の価値を会社の評価(給料)と比較してもっと高いと判断しているので、エンジニアとして全然前向きだと思います。あとは、自分でフリーランスになってもっと稼ぐか、会社内で交渉するか、実力で認めさせるかといった具体的な手段を取るだけで解決が可能です。

愚痴が会社についてや社長についての場合は・・・

それに比べて、「社長の経営方針について行けない・・・」「「人がどんどん辞めていっていて、会社の将来が不安・・・」という悩みは正直嫌いです。 聞いていて不快です。

理由は2つあります。

・給料を支払ってくれている雇用主を否定するのは道義上良くない
・エンジニアは自分の腕で食べていける職業なので、会社の方針を気にするのはあまり意味がない
(出来るエンジニアならば、転職、フリーランスでも引く数多)
という2点からです。

まず、「給料を支払ってくれている雇用主を否定するのは道義上良くない」という点からです。
「社長の経営方針について行けない」「会社の将来が不安・・・」ということを言うということは、自分を雇用してくれている会社を否定しているわけです。別にエンジニア自身に嫌がらせをしたり、誹謗中傷されたという例は実際のところほとんど聞いた事がありません。エンジニアの場合、直接経営層と接する機会というのはそこまで多くありません。ほとんどの場合は、他人から聞いた噂ばかりです。大体が根本的なことを見落としがちになります。「あなたを雇用してくれていて給料を払ってくれているのは、誰ですか?あなたの会社であり、社長ですよ」ということを忘れないでほしいです。そうすると、私が言う事は一つだけです。

「嫌なら辞めればいいじゃん。以上だよ」

本当に以上です。
大体そう言うと、「そうなんだけどね・・・ごにょごにょ」というのがほとんどです。
結局、それで終わりです。ちょっと厳しい事を言いますが、ほとんどの場合、会社の将来や社長の経営方針について不満を言う人は、不満止まりです。具体的にどのような点が不満であり、どうすれば良いかの改善余地を指摘出来ず、実行も出来ない(すでに手遅れの場合こそさっさと辞めた方が良いでしょう)。そのような人は大人しくソルジャーをやっている方が、よっぽど良いと思います。

逆に、よくない点を指摘し、改善策を社長に直談判出来るような人は文句も何もありません。「もう悔いの無いように自由にやったら」としか言いません。逆にそういう人はどこに行っても仕事が出来るような気がしますしね。稀にそういうことばかりに気が回り自分の仕事を棚に上げて、経営方針について口を出してばっかりの人もいます。まずは「自分の仕事をしてからにしろよ」と思ってしまいますが・・・。

 もう一つの「エンジニアは自分の腕で食べていける職業なので、会社の方針を気にするのはあまり意味がない」は、 あくまで私の持論ではありますが、 エンジニアは自分の腕(指)で食べて行く職業だと思っています。つまり本人の評価は自身の仕事に対して評価されるもので、あくまで所属している会社への評価というのは、エンジニアを介しての評価になると思っています

エンジニアへの評価⇒会社の評価

(受託開発の場合マネージャー等がアタマとしてクライアントに顔がでるのでちょっと違いますが・・・)。
そうすると、会社の経営方針がどうのこうのと言っているよりも、自分の現場での評価を上げることに努めていれば良いと思います。 評価されているエンジニアというのは、何かしらでやっぱり伝わってくるものです。滅多に無いですが、クライアントが金額を上げてくれることもありますし。(某東京駅の案件で、半年程で5万円金額が上がったエンジニアがいるという話を聞きました。)
そうこう頑張っているうちにきっと「自我」に目覚めるでしょう。そうしたら、会社と交渉するなりフリーになるなりすれば良いと思います。


 というわけで大体プロパーのエンジニアの愚痴はみんな同じで、聞いていてわかるのですが、あまり気持ちの良いものではありません。
かく言う私も、昔はしょっちゅう上司の文句を言っていました。「◯◯課長は何もしていない」とか「◯◯長は何もしていない。まるで無能だ」とか。今思い出すと、あー、アホだなーと思います。結局、建設的ではないんですよね。私の場合は社員が何千人といたので、社長なんて1、2回見た事があるくらいだったので、経営方針や社長の意向といったものは遠過ぎて全く触れる事すらなかったです。逆に距離が遠過ぎてそれはそれでつまらなかったです。私の方がソルジャー丸出しでした。

ただ、変わらずに間違いがないことは、エンジニアでも営業さんでもどんなポジションの人でも、会社の文句を言うようになってはダメだなと思います。やはり給料をもらっているところなので、最低限敬意は表さないといけませんね。それでも我慢が出来ないときは、直接良くない点と改善点をはっきり伝える。これが出来ないようであれば、ソルジャーでいるべきでしょう。

実際の所、保険や年金、確定拠出年金等も給料以外に払ったら、まあそこそこな金額になりますよね。 フリーランスだと交通費も自腹です。その雇ってくれている会社が自分に出してくれているバリューをもう一度考えて見るのもよいでしょう。

全然関係ないですが、 最近「ソルジャーな人」っていないですよね。
私の友人で「しがみついてでも会社に残ろうと思う」と豪語していた友人がいました。私はこういう人は尊敬します。仕事が出来る出来ないではなく、その姿勢が美しいです。ちなみにその人は「仕事キツいよ〜」とかは言いますが、会社の文句を言ったり、上司、同僚仲間の悪口を言ったりはしない人でした。今も立派にしがみついています。