2013年7月9日火曜日

久々にイタいSES営業さんに会った

井の中の蛙 大海を知らず



有名な言葉ですね。

さて、諺から始まりましたが久しぶりに先日イタい営業さんに会いました。
ちょっと暇だったので、営業のふりをして(名刺を複数持っているのでフリが出来るんですよ)エンジニア、SES会社の営業さんの打ち合わせに参加してきました。久しぶりにかなりイタいSES会社の営業さんがいたので、今回は晒していきます。

打ち合わせのお題は、『稼働中のエンジニアの今後の継続稼働について』でした。
現在の商流としては、

クライアント⇒A社(推定80万円)⇒B社(推定70万円)⇒C社(60万円)⇒エンジニア(55万円)

という形です。
()に書かれている金額は推定ですが、ほぼ間違いないです。クライアント直下で支払われる金額が75万円〜80万円なのを知っているという理由もあります(理由は後ほど)。




基本意地の張り合い

さて、ここからがお話です。このSES業界というのは深い闇に包まれた業界です。商流という存在がその闇を更に深いものにしています。この業界では、自社の自慢を出来る事といえば、「エンジニアの稼働人数」か付き合っている上位会社(クライアント)の話しかありません。ほぼ100%の確率でSES会社同士の会話(特に初回の挨拶)では、この2つは話に出てきます。設立が若い会社だと、多いのが「◯イバーエージェントと直接の取引があります」とか「◯クルートと直接の取引があります」といったことを言って「どうだ!良いクライアントもっているだろ!」アピールをして技術者を紹介してもらおうと、しょうもない意地の張り合いがあります。前に「NS-SOLと取引あります!」という営業さんも一人いました・・・
(ヘタな営業さんよりもその辺りの会社でしたら中の人を知っているので、情報を持っていますが、あえて全く知らないふりをして「スゴいですね〜」とか言っておいてその会社がどの程度の情報を持っているか、何人ほどエンジニアを参画させているかを聞き出して、その会社の質を勝手に見定めさせてもらっています・・・)

というわけで結局はどんぐりの背比べ状態な同業の意地の張り合いなのですが、今回の打ち合わせはそんなどんぐりの背比べでも究極に井の中の蛙な営業さんがいました。


自慢する取引先がビミョー

打ち合わせは、A社の営業さん、B社の営業さん、C社の営業さん(のふりをした私)、エンジニアの4名で行いました。
そのときのエンジニアが入っているクライアント先というのは実は受託開発も行っているSES会社でした。そこそこ名前は通っているSES会社なので、「あーあの会社、そんなこともやっているんだ。ふーん」くらいの感覚で同席してみました。すると、そのクライアントからの元請け(こういう場合元請けとは言わない気がするが・・・)のA社なのですが、ここがかなりのイタい営業さんでした。
もうクライアントを「神」扱いでした。終いにはいかにそのクライアントの案件は参画が難しいかを語りだして独壇場でした。傑作でしたのは「うちの会社の全社員を面談に連れて行ったけど3人しか決まらなかったんだ!」と現場がいかにレベルが高く精鋭ぞろいかを表現したかったようなのですが、別にフツーに知っている会社だったのと、私の横に実際に現場を見ているエンジニアがいるもので、実情を知っていたので、「お前の会社のエンジニアの質が低いだけだろ!」と終止半笑い状態でした。

さらにたまたま情報の行き違いでA社、B社と商流に入っていますが、本当でしたらクライアントと付き合いがあったものですから、

クライアント⇒C社(80万円)⇒エンジニア(75万円)

というのは全然可能なルートだったそうです。どうも別のクライアントの案件と情報の行き違いで間違え、面談終わった後にクライアントが発覚したそうです。

というので、このイタい営業さんの出鼻をくじく形で、「知っている先なんで商流にあなたが入っている意味がわからないので終了しましょうか?」というのを言ってしまっても良かったのですが、とりあえず井の中の蛙の華麗な舞を観させて頂きました。

私の中ではしばらくはレジェンドです。
イタいSES会社ランキングがあるならば、今の所暫定1位です。

◯クルートや◯イバーエージェントの自慢をするのならば、まあ名前が通っている有名な会社ですし、気持ちもわからなくもないのですが、同業で規模もフツーのSES会社のただのパートナーの立場をここまで誇らしくアピールされても正直・・・「あ、そうですか・・・」というだけです。ちなみに1時間もそのイタいSES営業さんの話に付き合わされました。良い感じに自慢が出来てご機嫌なようで、後半になってくればくるぼど饒舌でした。


何故このSES営業さんはイタいのか?

先ほどお伝えしたように、SES会社同士は基本見栄の張り合いなので、クライアントの自慢は至極当たり前です。では何故、このSES会社の営業さんはイタくなってしまったのでしょうか。まずそもそもの失敗が「情報の非対称性を信じ切って話をしてしまった」という点が大きいです。つまり、クライアントおよび当案件については自分が一番良く知っていて、中間会社や所属は情報を持ち得ていないという前提を信じ切って話をし出してしまったのが一番のミスです。
 他のSES営業さんでも同様のミスをする人は結構います。「この案件のクライアントはこういうところで〜」と一丁前に語る人は結構います。何かを自慢、語るには話す相手よりも優位な情報を有していないと意味がありません。これだけのクライアント、情報を持っているからうちの会社にエンジニアを供給しろ!ということを口にはしないが、暗に表しているからです。
しかし、相手が自分よりもより多くの情報を有していたらそう出来ません。思惑は外れ、負けてしまうからです。簡単に言うと、ベラベラしゃべって取引先自慢をしたものの、相手の方も取引があり、自分よりも多くの情報を持ち合わせていたら、ただ恥を書くだけです。ちなみにペラペラしゃべりすぎるのもイタくなる悪い点ですね。
あとは自慢した取引先がビミョーという点です。クライアントによって優劣を付ける訳ではありませんが、クライアントによっては当然、開拓するのが難しい先もあれば、簡単に取引が出来る先もあります。例えば電話100回かけても全く相手にされない先もあれば、メールを送ったらすぐに取引してくれる先もあります。仮に今回のクライアントを他のクライアントと比較すると、私は断言出来ます。圧倒的に取引開始は楽な先だからです。そもそもSIerでもなければ自社サービス企業でもなく、SESがメインのSES会社の受託開発案件なので、要員さえいればかなり取引は楽です。そんな誰でもWelcomeな先を誇らしげにアピールされても、言ってしまうと希少性の薄いものを誇らしげに自慢しているようなもので、訴求性はありません。というわけで、

・情報の非対称性を信じ切ってしまう
・ベラベラしゃべりすぎ
・自慢した取引先がビミョー

この点がイタさを醸し出しています。


そういえばメチャクチャ悪い会社があったのを思い出した

取引先で思い出しました。
ブッ飛んだSES会社の営業さんに会ったことがあります。もはやイタいを通り越して、飛んでました。
直接の取引が無いのに、「◯クルートと取引しています」と言っている営業さんでした。本人自身が「1社挟んでなんですけど」と言っているのに◯クルートと取引しているって・・・それ取引しているとは言わないよねと。その挟んだ一社と取引しているんでしょと。ちなみにこれは完全にアウトです。極めつけはこのSES会社、口答で言うだけならば100歩譲って聞き流しますが、会社案内のパンフレットの取引先一覧に『◯クルート』と書いてしまっています。このSES会社は完全にアウトなことをしています。エフォ◯ションとかいう会社でした。

あ!そうすると、先ほどの会社は暫定2位ですね。


結局カカシさんの言う通りだった

というわけでイタいSES営業さんの話でした。
何にせよ、カカシさんの言う通りで『本当に他人の自慢話ほど退屈なものはない』ですね。



これが何かしら今後の参考になる自慢話ならば良いのですが、知っている情報を他人からされてもただの時間の無駄でした。

一応、自分の教訓としては・・・まあベラベラしゃべりすぎないようにする事でしょうか。私自身はあまりしゃべる方ではないので、勝手にしゃべってくれると楽で良いんですがね。